皆さんは、ロッタン・ジットムアンノン選手をご存知でしょうか?
彼は、タイのムエタイ選手であり、元フライ級ムエタイ世界チャンピオンです。
2018年6月には、那須川天心選手とRISE世界フェザー級王座決定戦で対戦。
惜敗を喫しましたが、その死闘は多くのファンやメディアに取り上げられ、ロッタン選手の強さがこれまで以上に認知されました。
また、2025年3月23日には、ONE 172でK-1で3階級制覇を成し遂げた武尊選手との対戦が決まっています。
武尊選手が「戦いたい相手がONE Championshipの選手の中にいる」と示唆した相手は「ロッタン選手」。2人の対戦に期待が高まりますね。
この記事では、ロッタン・ジットムアンノン選手のプロフィールやONEやRISEでの戦績、収入や結婚についてお伝えします。
ロッタン・ジットムアンノンのwiki風プロフィール
引用元:ONE公式
本名 | Tinnakorn Srisawat(ティナコーン スリサワット) |
生年月日 | 1997年7月23日 |
身長 | 168cm |
体重 | 61kg |
出身地 | タイ パッタルン県 |
出場階級 | フライ級(ONE) フェザー級、スーパーフェザー級 (ムエタイ) |
格闘技歴 | ムエタイ(オーソドックス) |
その他のキックボクシング選手が気になった方はこちらの選手一覧ページよりご確認ください!
ロッタン・ジットムアンノンの生い立ちとは?
こちらでは、ロッタン・ジットムアンノン選手の生い立ちについてお伝えします。
極貧生活の幼少期
ロッタン選手は、タイのパッタルン県で生まれました。近年、タイの経済成長は目覚ましいものがあり、首都バンコクは高層ビルやモダンなショッピングモールが立ち並んでいます。
しかし、都市と地方の格差は大きく、彼が生まれたパッタルン県は農業や漁業に依存しており、経済的に豊かな地方ではありません。
ロッタン選手は、パッタルン県で9人の兄弟と共に、生きるためにゴミを集めて売るという極貧の幼少期を送っています。
”泥にまみれて過ごした日々”と、彼は懐古していますが、格闘家として成功してからも決してあの頃を忘れることはないそうです。
彼の強さを支えているのは当時の記憶なのかもしれません。
恩師との出会い
引用元:THE ONE KICKFIT【Vì gia đình nghèo nên Rodtang đã bắt đầu thi Muay kiểm tiền từ năm 8 tuổi(家が貧しかったため、ロッタンは8歳でムエタイの試合で稼ぎ始めた)】
毎日の食べ物にも困っていたロッタン選手は、7歳の頃にムエタイを始めます。タイの南部を中心に、色々な村の小さな大会に出場することで試合経験を積み、10歳でプロデビュー。
争いを好まない性格の彼でしたが、試合に勝てば家族を養うためのお金を稼ぐことが出来る。その思いできつい練習も乗り越える事ができたそうです。
ムエタイで頭角を現し始めていたロッタン選手は、パッタルン県からバンコクに引っ越し、バンコクのスタジアムで戦うようになります。
ジットムアンノンジムの代表であるファン氏がロッタン選手の才能を見出したのはその頃で、彼はファン氏の勧めに応じジットムアンノンジムに移籍しました。
ファン氏は「勝負の世界にいれば、良いときも悪いときもある、だから嵐が過ぎるまで耐えなければいけない」と、ロッタン選手がキャリアのどん底にいた時も支え続けました。
ロッタン選手は、「今の自分があるのはファンさんのおかげ」と語り、恩師への深い感謝と揺るぎない信頼を寄せています。
タイではムエタイが国技とされていますが、同時に賭博の対象にもなっており選手の数も非常に多い競技です。
その選手の大半は貧しい家庭の少年たちで、ロッタン選手と同じように生活のためにムエタイを始めることが多いようです。
しかし、彼のように成功を掴める選手はほんの一握りしかいません。
ファン氏がロッタン選手を大切に育て、ムエタイ選手としての心得を常に教え続けたことが、彼の才能をより開花させたと言えるでしょう。
ファン氏との突然に別れ
ロッタン選手とファン氏は二人三脚で戦っていましたが、2018年3月、ファン氏が急逝。
ファン氏を父親のように慕い尊敬していたロッタン選手にとって、あまりにもつらい出来事でした。
ファン氏の格闘技に対する影響は非常に大きく、ジムの存続も危ぶまれましたが、ロッタン選手を含めジムの人たちは、亡きファン氏の意志を継いでジムを盛り立てました。
ロッタン選手は、「ファンさんのためにも勝つことが必要だと分かっていた」と前を向き、宣言どおり、ジョナサン・ハガティー選手から「ONEフライ級ムエタイ世界王者」のベルトを勝ち取っています。
ロッタン・ジットムアンノン、ONEでの戦い
こちらの章では、ロッタン・ジットムアンノン選手のONEでの活躍についてお伝えします。
ONE戦績
ロッタン選手のONEでの戦績は、6年間で18戦17勝1敗と、すばらしい勝率を誇っています。
敗 | 対戦相手 | 試合結果 | 大会名 | 開催年月日 |
武尊 | 試合前 | ONE 172: Takeru vs. Rodtang | 2025年3月23日 | |
勝 | ジェイコブ・スミス | 5R終了 判定3-0 | ONE 169 【ONEムエタイ世界フライ級タイトルマッチ】 | 2024年11月8日 |
勝 | デニス・ピューリック | 3R終了 判定3-0 | ONE 167 | 2024年6月8日 |
敗 | スーパーレック・キアトモー9 | 3R終了 判定0-3 | ONE Friday Fights 34 | 2023年9月22日 |
勝 | エドガル・タバレス | 2R 1:40 TKO(肘打ち) | ONE Fight Night 10 【ONEムエタイ世界フライ級タイトルマッチ】 | 2023年5月6日 |
勝 | ジドゥオ・イブ | 3R終了 判定3-0 | ONE Fight Night 6 | 2023年1月14日 |
勝 | ジョセフ・ラシリ | 5R終了 判定3-0 | ONE on Prime Video 4 【ONEムエタイ世界フライ級タイトルマッチ】 | 2022年11月19日 |
勝 | ジェイコブ・スミス | 3R終了 判定3-0 | ONE 157 【ONEフライ級ムエタイワールドグランプリ1回戦】 | 2022年5月20日 |
勝 | ダニエル・ウィリアムス | 3R終了 判定3-0 | ONE on TNT 1 | 2021年4月7日 |
勝 | タギール・カリロフ | 3R終了 判定2-1 | ONE Championship: Fists Of Fury | 2021年2月26日 |
勝 | ペッダム・ペッティンディーアカデミー | 5R終了 判定2-0 | ONE Championship: NO SURRENDER 【ONEムエタイ世界フライ級タイトルマッチ】 | 2020年7月31日 |
勝 | ジョナサン・ハガティー | 3R 2:39 KO(3ダウン:左ボディフック) | ONE Championship: A New Tomorrow 【ONEムエタイ世界フライ級タイトルマッチ】 | 2020年1月10日 |
勝 | ボルター・ゴンサルベス | 5R終了 判定2-1 | ONE Championship: Century 【ONEムエタイ世界フライ級タイトルマッチ】 | 2019年10月13日 |
勝 | ジョナサン・ハガティー | 5R終了 判定3-0 | ONE Championship: Dawn Of Heroes 【ONEムエタイ世界フライ級タイトルマッチ】 | 2019年8月2日 |
勝 | ソク・ティー | 2R 1:06 TKO(ローキック) | ONE Championship: Warriors Of Light | 2019年5月10日 |
勝 | ハキム・ハメッシュ | 3R終了 判定2-1 | ONE Championship: A New Era | 2019年3月31日 |
勝 | ファディ・カレッド | 3R終了 判定 | ONE Championship: Hero’s Ascent | 2019年1月25日 |
勝 | セルジオ・ヴィールセン | 3R終了 判定3-0 | ONE Championship: Conquest of Heroes | 2018年9月22日 |
ONEフライ級ムエタイタイトルマッチ 獲得 vs ジョナサン・ハガティー
引用元:週刊ファイト
2019年8月2日、ロッタン選手は、ジョナサン・ハガティー選手(英国)とのONEフライ級ムエタイタイトルマッチに臨み、5ラウンド判定3-0で見事勝利を収め、チャンピオンベルトを手にしました。
この試合は、亡き師匠ファン氏を失った悲しみからロッタン選手が立ち直った証ともいえるものでした。
以降、ロッタン選手は、5度の王座防衛を果たしています。
2019年10月13日、ボルター・ゴンサルベス選手に判定2-1で勝利。
2020年1月10日、再びジョナサン・ハガティー選手と対戦。KO勝ち。
2020年7月31日、ペッダム・ペッティンディーアカデミー選手に判定2-0で勝利。
2022年11月19日、ジョセフ・ラシリ選手に判定3-0で勝利。
2023年5月6日、エドガル・タバレス選手と対戦。肘打ちでTKO勝ち。
2024年11月8日、ジェイコブ・スミス選手との対戦では、計量&ハイドレーションテストをパスすることが出来ず、試合は判定3-0で勝利するも王座をはく奪されました。
1度目の計量は、ハイドレーションテストは合格しましたが、体重は135.5ポンド(約61.46kg)で、フライ級のリミットである134.92ポンド(約61.2kg)から約260グラムオーバー。
2度目の計量では、ハイドレーションテストもパスできなかったため王座を剥奪され、試合はキャッチウェイト戦となりました。
さらに、ロッタン選手は、ファイトマネーの20%が罰金として差し引かれています。
ロッタン選手は、前戦のデニス・ピューリック戦でもハイドレーションテストをパス出来ず、約1.4kgオーバーの体重超過で、キャッチウェイト戦になっていました。
2度と同じ過ちは繰り返さないと慎重になっていたはずですが、2試合続けての規定体重オーバーに、タイトル戦を楽しみにしていたファンは不信感を募らせていました。
ハイドレーションテスト:選手の体内水分状態を評価するための検査で、過度な水抜きによる健康リスクを防ぐために実施されます。
ONE Championship10周年記念大会「ONE X」 vs デメトリアス・ジョンソン
引用元:GONG格闘技
ミックスルール
勝敗 | 対戦相手 | 試合結果 | 大会名 | 開催年月日 |
敗 | デメトリアス・ジョンソン | 2R 2:13 リアネイキッドチョーク | ONE Championship: ONE X | 2022年3月26日 |
2022年3月26日、ロッタン選手は、元UFC世界フライ級王者のデメトリアス・ジョンソン選手とシンガポール・インドアスタジアムで対戦。
この試合は、“クレイジーな試合”と言われただけあって、第1Rと第3Rはムエタイルール、第2Rと第4RはMMAルールという、これまでにないようなマッチアップでした。
ロッタン選手は第2ラウンドでリアネイキドチョークで一本負けを喫しましたが、会場は盛り上がり多くのファンが熱狂しました。
また、「ONE X」は、ONEの歴史上、1つのイベントとして過去最高の収益を記録。
その立役者となったのがロッタン選手とデメトリアス・ジョンソン選手だったことは誰もが認めることでしょう。
ONE Friday Fights 34 vs スーパーレック・キアトモー9
2023年9月22日にルンピニースタジアムで開催された、ONE Friday Fights 34のメインイベントとして、ロッタン選手はスーパーレック・キアトモー9選手と対戦しました。
スーパーレッグ選手は、フライ級とバンタム級で王座を持ち、強烈なパンチを持つストライカーとしても知られています。
試合はスーパーレック選手の2・3キロ超過によってキャッチウエイトで行われ、0ー3の判定でロッタン選手が破れています。
熱戦の様子を映像でご覧ください。
余談ですが、スーパーレック選手とロッタン選手はサッカー仲間です。
サッカー好きのロッタン選手は、メッシ選手からサイン入りのユニフォームをプレゼントされ、サッカー界のスーパースターと交流を持てたことをとても喜んでいました。
ロッタン・ジットムアンノン、RISEでの戦い
ロッタン選手は、日本のキックボクシングRISEにも参戦しています。
特に、2018年に行われた、那須川天心選手とのRISE世界フェザー級王座決定戦は、注目を集めました。
RISE戦績
勝敗 | 対戦相手 | 試合結果 | 大会名 | 開催年月日 |
勝 | 裕樹 | 3R終了 判定 | RISE 129 | 2018年11月17日 |
敗 | 那須川天心 | 5R+延長1R終了 判定0-3 | RISE 125 【RISE世界フェザー級王座決定戦】 | 2018年6月17日 |
RISE 125【RISE世界フェザー級王座決定戦】vs 那須川天心
引用元:GONG格闘技
2018年6月17日、RISE世界フェザー級王座決定戦が千葉幕張メッセで行われ、ムエタイの「破壊神」ロッタン選手と日本のキックボクシング界の「神童」那須川天心選手が対戦しました。
ロッタン選手は試合前の会見で「明日は全力で戦う。もし天心に自信があるなら、逃げずに堂々と打ち合って戦ってほしい」と、ムエタイ選手らしい距離を取らない勝負を要求。
天心選手は「全部迎え撃って、全部カウンターを合わせる。そういう練習をしてきましたので、絶対の自信があります」と、逃げるつもりはない事を強調。
格闘技ファンの間では、どちらに軍配があがるか勝敗予想もさかんに行われ試合前から盛り上がりを見せました。
ロッタン選手についても、天心選手の対戦相手というだけでなく、彼の実績と強さに注目が集まりました。
試合は、5R+延長1Rという熱戦が繰り広げられ会場に詰めかけたファンを沸かせました。
6R目になる延長戦を戦いきり、両者満身創痍の中、判定3-0で天心選手が勝利が決定。
惜敗したとはいえ、ロッタン選手は日本の神童をギリギリまで追いこみ、ファンに強烈なインパクトを残しました。
勝利した天心選手は、勝利者マイクで「ロッタン選手は本当に強くて、試合に勝って、勝負に負けた」と、涙を浮かべ、ロッタン選手の強さを認めました。
ロッタン・ジットムアンノン、オムノーイスタジアムでの戦い
ロッタン選手は、2017年7月29日、Chai Sor.Jor.Toypadriew(チャイ・ソー・ジョー・トイパドリュー)選手と対戦し5R判定勝利。
オムノーイスタジアムスーパーフェザー級王座を獲得しています。
ちなみに、オムノーイスタジアムは、ムエタイの世界でも特に権威のある神聖な競技場とされています。
このスタジアムでの戦績はとても重要で、ここで良い成績を収めることで、格闘界での地位を高めることができる競技場です。
その他のキックボクシング選手が気になった方はこちらの選手一覧ページより興味を持った選手を確認してみてください!
ロッタン・ジットムアンノンの年収は?
ロッタン選手の年収は、はっきりと公表されていませんが、彼が主戦場とするONEは高額なファイトマネーが有名で、選手たちにとって魅力のある団体です。
2023年9月22日、ONE Friday Fights 34でのスーパーレック選手との試合では、ロッタン選手のファイトマネーは1,000万バーツ(約4000万円)だったそうです。
タイは経済的に急ピッチで豊かになっていますが、それでもロッタン選手が過ごした幼少期のように苦しい生活を余儀なくされている人も多いのが現状です。
バンコクの屋台やフードコートでの食事は約60〜80バーツ(約250〜330円)、1LDKのアパート:の家賃は1万8,000〜3万5,000バーツ(約7万4,300〜14万4,515円)が、大まかな相場です。
そのタイで1試合1,000万バーツは魅力的なファイトマネーでしょう。
また、3月にロッタン選手との対戦が決まっている武尊選手は、インターネット放送局ABEMAとの契約金額が、1試合最低1億円と報じられており、PPVの追加報奨金は別途とのこと。
ロッタン・ジットムアンノンは結婚してる?
ロッタン選手は20歳の時結婚し、「ペイワン」という娘さんがいるそうですが、その方とは離婚しています。
その後格闘家の女性とお付き合いし、2023年には、アイーダ・ルークサイコンディンさんと結婚しました。
アイーナさんも格闘家で、RISE QUEENミニフライ級王者の寺山日葵選手と試合をしたこともあるようです。
ロッタン選手とアイーナさんは、2024年末に妊娠を発表しているので、今年はかわいい赤ちゃんが誕生するでしょう。
男の子のようですが、格闘家夫婦の元に生まれる赤ちゃんはどんなお子さんに育つのか楽しみです。
まとめ
少年時代から数えると500戦近くこなしてきたというロッタン選手。
今回ご紹介した試合は、彼の格闘家として戦績のほんの一部です。
生まれながらの貧困から自らの力で立ち上がり、世界チャンピオンにまで上り詰めたロッタン選手は、誠実さと謙虚さを大切にしています。
「うぬぼれていたら試合には勝てない。ジムでの一番最初の日を決して忘れてはいけない」と、成り上がるためにがむしゃらに練習した、あの頃のハングリー精神を忘れないことが大切だと話しています。
2025年3月23日には、K-1三階級制覇の武尊選手とのスーパーファイトが決定しています。どちらが勝利を手にするのか、今後の彼の活躍から目が離せません!